短信ニュース:水は地下水?アクア社が議会で反論

2025-11-12 05:43
 インドネシアの国会の公聴会で、大手ミネラルウォーター企業アクアの幹部が自社製品の水源を巡る疑惑について説明した。最近、西ジャワ州知事による抜き打ち調査動画を発端に「アクアのボトル水は山のわき水ではなく、井戸水ではないか」との指摘が広まり、国会は業界8社を招致して水源の実態を確認する事態となっていた。
 アクア社の副社長は委員会で「深い帯水層から水を汲み上げており、地下深く数百年地層に守られた水である」と述べ、天然水を得るために地下からの掘削という手段を用いていると強調。「水源は科学的調査で選定し、政府許認可を得ている。くみ上げ方法は安全管理を徹底しており、品質は山の伏流水と同じだ」と疑惑を否定した。
ミネラルウォーターの「アクア」=Shutterstock

コメント

  人気ブランドの水源を巡る論争は、企業の透明性と当局の規制体制の重要性を浮き彫りにした。地方首長の告発動画という新しい形で問題提起がなされ、議会が直ちに調査に乗り出した点は、消費者が企業説明の裏付けを求めている現状を示している。

 アクア社は科学的根拠を示して疑惑の払拭(ふっしょく)に努めたが、ブランドへの信頼を維持するには継続的な情報公開と水源環境の保全努力が不可欠だ。今回を機に、国民の間で飲料水の水源表示への関心が高まり、業界全体での説明責任と品質管理強化が求められるだろう。