短信ニュース:若年の非正規雇用増加で労働市場に懸念

2025-11-12 05:43
 インドネシアの雇用市場で非正規の職が増加し、若年層の失業率が高止まりしていることが浮き彫りになった。中央統計庁(BPS)の8月労働力調査では、新規就業者約190万人増加のうち約166万人がパートタイム労働で、フルタイム就業増加は20万人程度に留まった。

 また失業者数は7・46万人に上り、その67%をZ世代(15〜24歳)と呼ばれる若者が占めた。若年層の失業率は16・89%に達し、求人1件当たり求職者16人という「競争激化」も報告されている。
 専門家は「景気回復による失業率低下にもかかわらず、質の高い雇用創出が追いついていない」と指摘している。
10月29日、中部カリマンタン州パランカラヤでパーム油用のアブラヤシを整理する若者=アンタラ通信

コメント

 経済成長にもかかわらず正規雇用が十分増えず、若者の就職難が続く現状は構造的な課題となっている。労働集約型産業の投資が伸び悩み、雇用機会が制限されているとの分析もある。

 政府は職業訓練や起業支援を強化しているが、雇用の質向上には産業モデルの転換や中小企業への振興策が不可欠だ。人口ボーナスを生かすためには、教育改革による人材育成と民間投資誘致による新規産業を創出することにより、持続的で良質な雇用の場を増やしていく取り組みが求められる。