高速鉄道Whooshに国有地売却疑惑

2025-11-14 05:46
土地調達の際の汚職疑惑が判明したジャカルタ~バンドンを結ぶ高速鉄道ウーシュ=Shutterstock
 インドネシア汚職撲滅委員会(KPK)は10日、ジャカルタ~バンドン間を走る高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」計画に絡む汚職疑惑の調査で、国有地が国に再売却される不正があったと明らかにした。

 本来国有の土地を政府に売りつけ、市価を上回る高値で不正利得を得ていたという。

 KPKはこの異常な土地調達の実態を調べ、大規模な国家的損失が生じているとして不当利益の返還を目指す方針。政治・法務・治安担当調整大臣を務めた元閣僚のマフッドMD氏は同計画で1㌔㍍当たりの費用が、中国側が示す約1700万ドルに対しインドネシア側で5200万ドル(約3倍)に膨張したと指摘しており、KPKが捜査を進めている。

コメント

 国家プロジェクトである高速鉄道を巡る不正疑惑は、巨額の予算が絡むインフラ事業での腐敗リスクを浮き彫りにした。政府保有地を再び政府に売却して利益を得るという悪質な手口は、官民の癒着や制度上の抜け穴を突いた典型例である。

 今回のマフッドMD氏による暴露が追い風となり、プラボウォ政権下でKPKは大型汚職への追及を強めている。