
インドネシア税務総局(DJP)は来年から、電子マネーやデジタル銀行の残高や取引データを当局の調査で把握できる仕組みを導入する方針を明らかにした。これまで銀行口座情報の提供は進んでいたが、OVOやGoPayなどといった電子マネーやフィンテック口座についても対象を拡大。デジタル経済の拡大で電子決済に移行した所得を見逃さず課税する狙い。 DJP幹部は「一般利用者への過度な影響は避け、必要な情報のみ収集する」と説明しており、プライバシー保護と徴税強化の両立に留意しつつ制度設計が行われる見通し。
コメント
急速に進むキャッシュレス化に対し、税務当局が新たな情報源にアクセスすることは徴収漏れ防止に有効である。一方、電子マネー残高の監視強化は利用者のプライバシーやフィンテック業界への影響にも配慮が必要だ。
利便性と公平な課税のバランスをどう取るかが問われており、透明性ある制度運用と厳格なデータ管理によって国民の理解を得ることが重要である。デジタル経済の健全な発展と税負担の公平化を両立させる試金石となるだろう。
