短信ニュース:高卒者50万人を海外へ、政府計画が本格始動

2025-11-17 05:42
政府「SMKゴー・グローバル」計画の一環で、ボゴールにある職業高校を訪問したムハイミン調整相=アンタラ通信
 政府は年末にも、職業高校(SMK)の生徒50万人を海外就職できる人材として育成する「SMKゴー・グローバル」プログラムを始動する。

 これは5年間で延べ50万人のSMK卒業生に対し、外国語や異文化適応研修のほか、国際的な資格取得のサポートを行い、海外企業とのマッチングを図る壮大な計画だ。

 具体的には産業人材需要の高い日本や中東などへの送り出しを想定し、在学中からインターンシップや技術訓練を国際水準で実施する。また英語をはじめとする語学教育を強化し、海外で通用するコミュニケーション能力も育成する。

 政府は本プログラムにより、若年層の失業率低下と年間数兆ルピア規模の外国人送金(レミッタンス)増加を目指すとともに、インドネシア人労働者の技能ブランド化を推進したい考えだ。

コメント

 国内で若者の雇用不足が問題化する中、若者50万人を海外で働けるよう訓練する構想は、インドネシアの人的資源輸出戦略として大きな注目を集める。成功すれば技能実習生送り出しで実績のあるフィリピンに続くモデルとなるが、多くの若者を海外に送り出すには十分な教育レベルと送り出し後の人権保護も重要となる。

 国際的競争力を持つ人材育成には企業との協力や教育カリキュラムの改革も不可欠であり、本プログラムが単なる数値目標に終わらず質の高い成果を上げるかどうか、今後の展開で真価が問われそうだ。