短信ニュース:違法古着に厳罰、約1100億ルピア分を焼却

2025-11-18 04:00
視察するママン・アブドゥルラフマン中小企業相(左)=アンタラ通信
 インドネシア貿易省は14日、西ジャワ州ボゴール県で違法に輸入された古着500バイル(圧縮した包)を焼却処分した。これは同省や軍情報局、国家情報局、警察がバンドン市内の倉庫で押収した違法古着計1万9391バイルの一部で、評価額は約1123億5000万ルピアに上る。

 問題の古着は11棟の倉庫に8人の業者が大量保管していたもので、政府は関係業者の営業所を封鎖し、違法在庫すべての廃棄を命令。今回焼却された500バイルも含め、10月14日から段階的に処分を進めており、既に1万6591バイル(約85・6%)を焼却した。

 残りも今月末までにすべて処分予定とされる。政府はまた「古着輸入品の販売(スリフティング)は法令で禁止されている」と改めて国民に周知し、消費者にも違法古着を買わないよう呼びかけた。

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 違法古着1万9000バイル超という押収量の多さは、安価な中古衣料への国内需要が極めて高いことを物語る。一方で当局は、衛生上の懸念や国内縫製産業保護のため違法輸入品を断固排除する姿勢を示した。今回の大量焼却は見せしめ効果も含め強烈なメッセージであり、違法業者には営業停止という厳罰が科された。

 古着は低所得層からの需要やサステナブル志向とも結びつき、一律禁止だけでは地下市場が残る可能性もある。

 政府には違法取引の取り締まりと同時に、国内でのリユース(再利用)市場の健全化支援や、安価な新品衣料の供給確保など、多角的なアプローチが求められる。また、消費者にとっても購買時の意識改革が必要となるだろう。