スチームボートで豚三昧!

2025-11-21 04:41

クラパガディンの「ハイ・ティエン」

 ジャカルタ生活での質を左右する要素の一つ……それは「美味しい豚料理を食べられる店を知っているか」ではないでしょうか。今回は豚三昧に浸れる「ハイ・ティエン(Hay Thien)」のクラパガディン店をご紹介します。(フードブロガー・jakameshi(ジャカ飯)、写真も)
ハイ・ティエンに入ろうとすると1階入り口に別の店の看板が……ややこしいですが、そのまま入れば到着

食生活の「質」左右

 インドネシアで生活すると分かることの一つ、それは私たち日本人がいかに豚食に慣れ親しんでいるのか?ということでしょう。日本では外食、自炊問わず自然と「豚肉」が普段の食生活の中に浸透していますよね。

 しかし、ムスリム(イスラム教徒)の方が多く生活するインドネシアで豚を日常的に取り入れるのは至難の技です。外国人や中華系インドネシア人が多く生活するジャカルタではまだ食の選択肢が多い……とはいえ「美味しい店」となると、5G通信どころか10Gくらいで常日頃アンテナを張っていないと情報が入ってきません。

 逆に、美味しい豚が食べれるレストラン、通称「豚ヘブン」をいくつか押さえておくとジャカルタ生活がグッと楽になります。ビタミンB不足で口内炎に悩むことも減ります。

豚バラ串や豚モツまで!

清潔感のある店内。禁煙で夜は家族客でにぎわう
 クラパガディンはジャカルタの中でもチャイニーズエリアとして数えられます。当然ながら豚ヘブンも多く、実際美味しいお店が多かったりします。

 今回ご紹介するクラパガディンの豚ヘブンの一つ「ハイ・ティエン」は、お店に入ろうとすると「Kemangi」と書かれている別のお店の看板がありますが、勇気を出して1階の扉をくぐれば到着です。2階に大きく店名が掲示されているのに、なぜ1階が……という野暮な突っ込みはやめましょう。

 店内は清潔感があり、ゆったりと落ち着いて食事をすることができます。店内禁煙ということもあり、19時を過ぎるころには子供連れの家族客でほぼ満席。

 そして大事なことですが、ビールもあります。もちろん豚があるだけでもありがたいのですが、ビールがあると豚の潜在能力を数倍引き出すことができるのです。

まるで日本の豚串

サムチャン。まるで日本の豚串だ(1万2000ルピア・税別)
 それでは皆さんのご参考までに、当日いただいたものをご紹介します。

 Samcan(サムチャン)と言えば、チャイニーズ系の料理屋では定番で、豚バラ肉をカリッと揚げ焼きしたものを指すことが多いです。通常は高温の油で外側をこれでもか!というくらいカリカリにしているものが多いですよね。

 ところが、このサムチャンはほぼ「日本の豚串」です。この普通な感じの豚バラ串が逆に貴重。ジャカルタでは居酒屋以外ではなかなか出会えません。

 ここは居酒屋ではない!ということで添え付けのSambal Ijo(サンバルイジョ)をややたっぷりめにつけていただきます。ふんわりめのお肉と油がピリ辛のサンバルと混ざり合い、ビンタンビールが止まりません。塩とタレがありますが、タレはやや甘味が強め。お値段も手ごろですので、迷っている人は塩とタレの両方を頼みましょう。

豚ホルモンも

スチームボートで茹でた豚のホルモン各種(豚レバー、豚タンが5万5千ルピア、豚の胃が6万ルピア・税別)

 日本人同士で食べることが多い火鍋とは異なり、ハイ・ティエンのスチームボート(鍋料理)はあっさり目のスープで具材をさっと茹でます。店員さんが目の前で茹でるか、もしくは茹でたものを持ってきてくれます。茹でた具材をゴマ油で和え、お好みでサンバルソースをのせて食べるスタイルです。

 ダシの出やすいものから茹でてくれるのか、最初に出てきたのはシイタケと水餃子。水餃子の中身はもちろん豚肉。ゴマ油でいただく水餃子というのもなかなかイケるものです。

 ジャカルタ生活でなかなかお目にかかれないのが豚のホルモン。韓国系か日系の焼肉屋くらいでしか出会いませんが、このお店ではスチームボートで茹でたものをいただけます。

店舗情報&まとめ

 中華レストランで火鍋はよくありますが、ハイ・ティエンのようなスチームボート×ゴマ油というスタイルもたまには良いですね。お店の雰囲気的には「飲む店」というより「ご飯を食べる店」という印象です。

 お酒の持ち込みについては2度確認しましたが不可とのこと。豚をつまみに焼酎で一杯、というのもやりたいところではありますが、そこは「飲み屋」と「家族向けレストラン」との線引きをしているのかもしれません。とはいえ、ビールはありますのでご安心を。飲み足りない人は、同じ通りのすぐ近くにバーもあるので、そちらで二次会を楽しんでください。

 ハイ・ティエンは西ジャカルタのコタやスカルノハッタ空港近くにも店舗があるので、気になった方は探してみてくださいね!