経済産業省 2年ぶりに就職フェアを開催

日本の経済産業省は11月29日、南ジャカルタで「ジャパン・ジョブ・フェア(日本就職フェア)」を開催し、日本から25社が参加した。同省がインドネシアでフェアを行うのは2年ぶり。
今回のフェアは令和6年度補正「高度外国人材受入拡大に向けたインターンシップ・ジョブフェア等調査事業」の一環で、言語や地域を問わず優秀な高度外国人材の採用を推進し、日本企業の国際競争力の維持・強化を目的としている。
また、世界各国の優秀なIT・AI人材向けにインターンシップを行うほか、多様な業種・職種で海外人材を採用する機会として位置付けている。今年のフェアは2カ国で開かれ、10月にモンゴルで実施した。
フェアでは25社がブースで説明会を開き、面接も行った。
全日空はモンゴルでのフェアにも出展。同社の人事関係者によると、留学経験者の採用はあるが、現地での直接採用は初めてだという。担当者は「現地の大学を訪問し、ITや整備関係で良い人材がいることが分かった。マッチングが今後の課題だ」と述べた。
産業機械製造の村上製作所(本社・香川県高松市)は就職フェアそのものへの参加は初めて。現在46人いる外国人社員の過半数がベトナム人で、6人しかいないインドネシア人の割合を増やしたいという。
愛知県から参加した高砂電気工業は、全社員52人のうち3割以上が外国人だ。同社の平谷治之社長は「日本人だけではイノベーションは生まれない」と話し、外国人採用に積極的な姿勢を見せる。同社はおととしのフェアにも参加しており、230人の応募者から4人を採用したという。
年間200人ほどの応募があると話す平谷氏は「今日も応募があった」と、日系企業に勤務するインドネシア人からのメールを見せた。
同社ではインドネシアのほか、中国や台湾、イランなど8カ国1地域から人材が集まり、来年は人材採用サービスから応募があったインドネシア人学生1名が入社する予定だ。
防災および緑化工事を手掛けるソルテック(大阪府)の山本裕三取締役によると、同社ではまだインドネシア人を採用したことがないが、一方で若手不足が悩みの種だという。
フェアには初参加だったが、山本氏は「みんな日本で働きたいという積極的な印象を持った。日本語能力試験で(日本語を基本的に理解できる)N4の人には、N3レベルに上がったら連絡してほしいと伝えた」と話した。
来場者の中には日本に留学中の弟の代わりに履歴書を届けに来た家族もいるなど、日本での就職を夢見る若者が集まった。
日本のIT企業でエンジニアとして働くゲンさん(29)は「物価の高い都会ではなく地方都市がいい」と先を見据える。送り出し機関の面接にアチェ州から来たナスワさん(23)は独学で覚えた日本語で「日本で仕事がしたい。フェアは貴重な機会」と話した。また、国鉄(KAI)でカスタマーサービスとして勤務するアルフィンさん(31)は今月で雇用契約が切れることと、30歳を過ぎてからの転職は難しいことを理由に、心機一転して日本で働きたいという。
「独学で日本語を勉強してN4に合格した。N3を取って日本で働くのが夢」と希望を語った。
