
インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は28日、国内の統一QRコード決済規格「QRIS」の利用者数が約5800万人に達し、クレジットカード利用者数(約1800万人)を大きく上回ったと明らかにした。これはインドネシア中央銀行が同日開催した年次総会で発表されたもので、政府によるデジタル決済普及策が功を奏し、非現金決済が急速に広がっていることを示している。
QRISは現在マレーシア、タイ、日本、韓国など周辺国でも相互利用が可能で、中国やサウジアラビアでも試験運用が進められている。国境を越えたQRコード決済の展開により、インドネシア人旅行者が海外でもQRISを利用できる環境が整いつつある。
コメント
QRコード決済がクレジットカード利用を凌駕した事実は、インドネシアにおけるデジタル金融の飛躍を象徴している。政府の積極的な推進策とスマートフォン普及が相まって、小規模店舗から自治体まで電子決済が浸透し、利便性の高さが国民の購買行動を変えつつある。一方でキャッシュレス化の進展に伴い、決済システムの安定稼働やセキュリティ確保といった課題にも継続的に取り組み、国民の信頼を維持することが重要である。
