短信ニュース:香港火災でインドネシア人7人死亡、外務省が遺体送還を支援

2025-12-03 05:27
今回の火災現場となった香港大埔区の高層住宅 宏福苑 Wang Fuk Court=ウィキペディア
 インドネシア外務省は30日、香港で発生した大規模火災を受け、在香港インドネシア総領事館が被災したインドネシア国民7人の遺体を本国に送還を主導するため調整チームを設置したと発表した。香港・新界地区の住宅施設で起きたこの火災では少なくとも128人が死亡し、その中にインドネシア人労働者7人が含まれている。

 総領事館はビデオ通話や電話を通じて遺族との緊密な連絡を続けており、現地当局と連携して身元確認や遺体の輸送準備を進めているという。犠牲者のうち一部はすでに身元が確認されたが、残る遺体の特定には遺族からのDNA提供が必要となる可能性も指摘されている。現地警察との調整が続いていることから、遺体送還の具体的な日程は現段階で未定である。

 火災当時、現場となった香港・ワンフクコート住宅街にはインドネシア人家事労働者約140人が勤務・居住しており、このうち死亡した7人を含む61人の安否が確認されている。一方、残る79人については現在も所在や状況の確認作業が続けられているという。

コメント

  香港で発生した大規模火災は、多数のインドネシア人出稼ぎ労働者が海外で働く現状と、災害時における迅速な在外公館対応の重要性を浮き彫りにしたと言える。インドネシア政府は総領事館を通じた情報提供や遺体送還支援で在外国民保護への姿勢を示したが、今後も海外で働く国民の安全確保や緊急時対応力の強化という課題が残るだろう。