短信ニュース:新首都の水不足、貯水池で備え

2025-12-04 05:50
中部ジャワ州クドゥスで本格稼働するジャティ調整池=アンタラ通信
  インドネシアの新首都庁は11月27日、カリマンタン島東部に建設中の新首都ヌサンタラ(IKN)の中枢エリアでの貯水池と調整池の建設契約を締結した。新首都で将来的な水不足を回避するためのインフラ整備が本格化した。今回の取り組みは、国家研究革新庁(BRIN)が衛星データ分析に基づき指摘した「IKNは水不足に陥る可能性がある」との懸念を踏まえたもの。同庁は今回の貯水池と調整池により、新首都と周辺都市の需要を十分満たせるとの見通しを示した。

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 計画では新たに24カ所の貯水池・調整池を整備し、貯水容量を合計約200万立方メートル拡大する。現在、既存の小型ダムや池約30基で200万立方メートルの水を蓄えており、新設分と合わせ約400万立方メートルの水を確保できる計算だ。首都建設と並行し、水需要に見合った供給能力を段階的に高めていく。

 こうした貯水池群は、大雨時の雨水流出を抑え地下水涵養を促す「スポンジシティ(雨水貯留都市)」戦略の中核をなす設備だ。降雨を一時的に蓄え、徐々に放流することで洪水リスクを低減するとともに、水資源の持続的な利用と水循環の維持を図る狙いがある。新首都のビジョンである「森林都市」「環境都市」の実現に向け、今回の整備は重要な要素となっている。