短信ニュース:物価安定でインドネシア経済に回復の兆し

2025-12-04 05:50
自転車工場の組立ラインで作業する従業員=ShutterStock
 インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は2日、ジャカルタで開かれたインドネシア中央銀行の年次総会で国内経済が持ち直しの兆しを見せ始めたと報告した。インフレ率が目標範囲内で安定し、製造業の指標が改善する中、政府は来年に向けた成長見通しに自信を示している。

 アイルランガ氏によると、11月のインフレ率は前年比2・72%と政府目標(2・5±1%)の範囲内に収まり物価は安定している。また、同月の製造業購買担当者指数(PMI)は53・3と前月の51・2から上昇し、景気拡大の目安である50を上回った。貿易収支も2025年10月時点で黒字を維持し、輸出など外需の下支えも続いているという。

コメント

 インドネシア経済は、政府の財政刺激策の効果もあり物価安定と製造業拡大に支えられて来年の成長加速に期待が高まる。一方で、インフラ整備や産業の高付加価値化、人材育成、投資環境の改善などの改革を政府と中央銀行が協調して加速し、成長基盤を強化して巨大な国内市場の潜在力を引き出す戦略が不可欠となろう。豊富な若年人口を抱える同国ではその人的資源を生かしたイノベーション創出も成長の鍵となる。