短信ニュース:映画館15館が閉鎖の危機、配信普及が逆風に

2025-12-04 05:51
公演直前のシアター風景=ShutterStock
  インドネシアのテウク・リエフキ・クリエイティブ経済相はこのほど、国会で全国で約15館の映画館が観客減少により閉鎖の危機にあると報告した。映画業界の振興機関であるインドネシア映画機構(BPI)は、その主因として動画ストリーミングサービスの普及と景気低迷による観客減を挙げている。コロナ禍後に客足は戻りつつあったが、手頃で手軽な自宅での映画鑑賞が広がる中、伝統的な映画館は市場の主導権を奪われつつある。

コメント

 コロナ禍以降、世界的に映画館離れとストリーミング普及の流れが進む中、インドネシアでも同様の傾向が鮮明だ。低価格で手軽に視聴できるオンライン配信サービスの浸透は、観客の娯楽消費パターンを大きく変化させており、経済状況による支出抑制も相まって劇場離れに拍車をかけている。映画文化と産業を維持するには、地方都市へのスクリーン拡充や映画館ならではの体験価値の向上など、新たな戦略が求められるだろう。業界団体や政府による支援策に加え、作品ラインナップの充実やサービス改善を通じて観客を呼び戻す努力が不可欠だ。