短信ニュース:EV販売急増で内燃車に価格圧力

2025-12-05 05:28
ジャカルタで開かれたインドネシア商工会議所(カディン)ラピムナス2025を象徴的に開会するアイルランガ経済担当調整相ら=アンタラ通信
 インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は1日、10月時点で国内の電気自動車(EV)販売台数が前年同月比18・2%増と急伸し、ガソリン車からEVへの移行が進んでいるとの見解を示した。さらに、EV人気の高まりがガソリン車の価格引き下げを促しており、自動車業界に構造転換が起きていると指摘した。

 アイルランガ氏はEV市場の拡大が国内産業にも好機をもたらすとの期待感を示した。インドネシア政府は「スーパーグリーン経済回廊」の建設や二酸化炭素の回収・貯留(CCS)の活用、新エネルギーへの投資促進など、グリーン経済推進の政策を進めている。インドネシアはアジア最大級の炭素吸収源(最大600ギガトンの炭素貯蔵ポテンシャル)を有しており、同相はこれをグローバル協調の戦略的価値と位置づけつつ、「国内の自動車産業がこの潮流を捉え、新技術のサプライチェーンに参入することを望む」と述べた。

コメント

 インドネシアでも電気自動車への転換が進んでおり、従来型自動車産業に変革を迫っている。政府の補助金や環境政策、中国勢を含む新規参入メーカーの低価格EV攻勢などが販売増を後押ししたとみられる。EVの普及拡大はインフラ整備(充電網の拡充)や国内部品産業の育成が課題となる。今後、ガソリン車メーカー各社の対応や、政府の産業支援策次第で、自動車市場の勢力図が徐々に塗り替わる可能性がある。