あなたは全部飲んだことある!? インドネシア産ビール飲み比べ 一般向けビール編(中)

2025-11-12 06:08

 インドネシアのビールはなかなかにおいしい、そしてビンタン以外にもインドネシア国産&独自ブランドのビールは多数ありますよ!ということでスーパーでも手に入りやすい「マス向けビール(※)」ほぼ全種(手に入ったものだけ)を、筆者が実際に「飲んで」ご紹介する本企画。筆に熱がこもりすぎて一回分の紙面では収まりませんでした。今回は中をお届けします。気になるビールがあればぜひ探してみてくださいね!

※厳密な定義はありませんが、大型スーパーマーケットで販売しているビール、とご認識ください。


【留意事項】

 筆者はプロの批評家ではありません。そして、テイスティングと言いつつも開けた缶は全部飲んでいます。一口飲んで捨てるなんて、インドネシア暮らしの長い私にはできません。当然飲むのは複数日に分けました(3日)。ということでコメントは酔っぱらいのたわごと程度で受け止めてください(笑)。とはいえ、飲んだことのない人にはいくばくかの参考になると思います。


前編の記事はこちら



なぜインドネシアのビールはおいしいの?

ドラフト / Draft Beer

 こちらは「バリハイ社」が作っている「Draft Beer」というビールです。お店によっては「バリハイ」として出されることもありますが、こちらのビールはややマイナーかもしれません。レストランでもよく見かける「白いバリハイ」よりもひと回り安いです。


 飲んだ瞬間の口当たりはとても軽いのですが、ほのかに苦味も感じさせます。インドネシアビール全体を見渡して、いわゆる「最安値クラス」のビールではありますが、ビールとしてのバランスは良いのではないでしょうか。価格の安い優等生というイメージです。

香り:3 味:4 喉越し:4


バリハイ プレミアム / Bali Hai Premium

 インドネシアには2種類の在留邦人しか存在しません。それは「ビンタン派」と「バリハイ派」です。というのは冗談ですが、それほど人気のビールがこちらのバリハイプレミアム。バリハイといえばやはりこちらのイメージが強いですよね。日系の居酒屋なんかでもこちらを扱っているお店の方が多いです。


 バリハイプレミアムは何と言っても「しっかりした苦味」が特徴です。飲みやすさ市場主義?のインドネシアビール市場の中でオールドスタイルを貫く、ビールらしいビールです。願わくば、もう少しホップの香りが強ければ突き抜けた存在になるのですが、そうは問屋が卸しません。でも個人的には金曜日に「お疲れさま!」とガツンと飲みたいビールのトップです。


香り:3・5 味:5 喉越し:  4

バリハイ ロマンティックデーラガー / BALI HAI Romantic Day Lager

 こちらもバリハイの一つですが、少し面白いストーリーがあります。2021年に新型コロナウイルスが流行した時、世界中で人々が旅行できなくなりました。そこで、バリに思いを馳せている人のためにバリハイ社が韓国の販売パートナーと共同で企画して開発・販売したのが誕生のきっかけだったそうです。いや、その時点でもうロマンティック。


 バリハイプレミアムよりも軽い飲み口で爽快さがあります。苦味はやや控えめで、代わりに麦芽のほんのりとした甘さが目立ちます。食事の邪魔をしないので、白身魚などとペアリングしそうですね。筆者は好みの問題でバリハイプレミアムの方が好きですが、こちらはこちらでレベルの高いビールだと感じました。


香り:3・5 味:4 喉越し:4

エル ディアブロ IPA / EL DIABLO IPA

 バリハイ社が製造するIPA。IPAはビールの種類の一つで「Indonesian Pale Ale」の略ですが、あえて略さない呼び方も記載しているところに素敵なプライドを感じさせます。こちらも割と新しいビールで調べたところ昨年に登場したそうです(もう少し前からあった気がしますが)。こちらは日本人の吞兵衛ファンも多いと聞いております。


 一口飲むとホップの心地よい香り。柑橘系の香りがとてつもなくフルーティー。しっかりと苦味がありますが、IPAとしては控えめで飲みやすい部類に入るでしょう。これは味が強めのお肉に合わせたいです。赤ワインに近い飲み方ができるかもしれないグルメビールです。


香り:5 味:5 喉越し:3


パンサー ブラックビール / Panther Black Beer

 バリハイ社が製造する黒ビールです。こちらも18年販売の若いブランドです。一口目の印象は「しっかり作ってる黒ビールですね」という印象。インドネシアでは市場も大きくないだろうに、担当者が悩んできた姿が目に浮かぶ一杯です。


 南国で作られている影響なのか、やはり少し軽めの印象を受けました。ややライトな黒ビールといったところでしょうか。ギネスに飲み慣れてると少し物足りない印象かもしれません。ただ、赤道直下の黒ビールとしてはこれが正解と言えるかもしれません。まったく同じものを作ってもしょうがないですからね。


香り:4 味:4 喉越し:3

編集後記

 狙ったわけではありませんが、今回は「バリハイ ブリュワリー(Bali Hai Brewery)特集」になりました。バリハイ社はビンタン社と比べて後発の会社ですが、個人的には総じておいしいビールを製造しているという印象を持っています。その代わり、全体的にお値段もプレミアムです(笑)。まだ飲んだことがない!という方は、チョバ(トライ)してみてくださいね。最終章の後編もご期待ください。