インドネシアニュース 尼メディア、「強い高市政権」と報道ー自民、戦後初の歴史的大勝で
8日に投開票された衆議院選挙で、高市早苗首相が率いる自由民主党が戦後で初めて単独で3分の2を超える議席(316議席)を獲得した。この結果を受け、インドネシアの現地メディアは翌9日、「特に防衛分野において、自身の右派的な政策課題を推し進めるより強い立場を得た」などと報じた。
(ジャカルタ日報編集長 赤井俊文)

■今後4年の信任獲得
有力紙コンパスは、今回の選挙結果を「政権基盤を大きく強化した」と評価。「前倒し解散という高市氏の判断が奏功し、今後4年の保守的な政策運営への強い信任になった」と位置づけた。
その上で、高市氏は「財政規律を重視しつつも積極的な運営」を掲げ、減税や歳出拡大にも言及していることを踏まえ、「市場は巨額の政府債務を背景に慎重に反応している」と指摘した。外交面では対中姿勢が焦点となり、「2028年まで選挙がなく、関係改善に動く余地が生まれた」とする専門家のコメントを紹介した。
■党内「高市基盤」強まる
民放テレビ局系のリプタン6は「高市氏の高い人気が大勝を呼んだ」と報道。「3分の2の議席確保により、政府は今、参議院の決定を衆議院の再採決で覆すことで、より強硬な議会戦術の選択肢を得た」として、国会運営で強みを握った点を紹介した。
また、「高市氏が首相就任から数カ月で解散を決定したことは自民党内部で批判を招いたが、今回の圧勝で少なくとも当面は、反高市勢力の声を事実上封じ込めた」と伝え、党内基盤の強化を評価した。
国営アンタラ通信は、今回の選挙結果が「専守防衛に基づく日本国憲法の改正を巡る議論を改めて促した」と報じ、高市政権で憲法改正論議が加速する可能性が高いことについて取り上げた。
■長期政権で外交に期待
今回の衆院選大勝を受け、ある外務省関係者は「外交は内政の延長。長期政権になれば、インドネシアとの関係も改善する可能性がある」と評価する。約7年8カ月に及んだ第2次安倍晋三政権(12年12月~20年9月)では、外交面でトランプ米大統領ら各国首脳と良好な信頼関係を築いた。同関係者は「結局のところ、外国首脳は個別の政策以上に、対話や交渉の継続性を重視しているからだ」と説明する。
在留邦人の中でも、強固な政権基盤の確立を歓迎する向きは多い。ある日系商社の幹部は「中国寄りの姿勢を強めていたインドネシアを、再び日本側に引き戻すチャンス」と期待を寄せる。
高市首相のインドネシアとの外交戦略を実行に移すためにも、まずは第一歩として一日も早い特命全権大使の派遣が待たれている。