グルメ インドネシア産羊を味わい尽くせ!ー羊のサテが絶品の「Dapur Mamih Sateku」

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 ジャカルタにはKambing(山羊)を食べさせるお店は数あれど、Domba(羊)が食べられるお店というのはそこまで多くはありません。さらに、羊焼肉ことジンギスカン発祥の地「北海道」出身の筆者を納得させるレベルの羊を出すお店となると、片手で数えられるほどかもしれません。今回はその中でも特におすすめのお店をご紹介します。ローカルな雰囲気もあるので出張者を連れていくと喜ばれるお店でもあります。
【フードライター ジャカ飯(jakameshi)、写真も】

写真① ブロックMの羊串専門店「Dapur Mamih」

■国産羊肉を使用

 お店の名前は「Dapur Mamih Sateku」。ブロックMのやや南側、Melawai通りを渡り少し住宅街へ近づいた辺りにあります。名前からもわかる通りこちらのお店はサテ専門店。しかしサテはサテでもSate Domba(羊)専門のお店なのです=写真①。

写真② 店内に吊るされるフレッシュな羊肉

 羊といえば独特の臭みがありますよね。道産子的にはあの臭みも美味しかったりするのですが、人によっては「あの臭みが苦手」という方もいます。ご安心ください。Dapur Mamihの羊肉はフレッシュで臭みもほとんどありません。しかし、しっかりと羊肉の濃厚な美味しさを味わえます=②。

 筆者は「きっとオーストラリアの良い羊肉を仕入れて使っているんだろうな」と勝手に推測していたのですが、実はDapur Mamihで使用している羊肉はインドネシア国産品種の羊肉。西ジャワのGarutに生息しているPriangan種(通称Domba Garut)という羊を使用しています。Priangan種は皆さんが普段イメージする毛むくじゃらの羊とは異なり、非常に筋肉質で美しい羊です。食用としてだけではなく闘羊にも使われる「戦う羊」という一面も持っています。ご興味のある人は検索してみてください。

 お店の方が言うには、インドネシアには他にも羊を育てている土地があるのですが、Garutの羊が一番美味しいとのことです。

■CelupとTegalの違い

写真③ 注文が入るとスタッフがその場で調理

 そんなPriangan種を美味しくいただけるDapur Mamihですが、事前に「Celup」と「Tegal」という言葉を覚えておくとメニュー選定で役立ちます。文脈によって異なる意味を持つこともあるようですが、ここでは「Celup」は甘めのタレ、「Tegal」は塩味ベースの味付けを指します。

 各サテには部位の名称と「Celup」「Tegal」という単語が組み合わされています。その日の気分によって味付けを選んでください。店員さんによれば「日本人にはTegalがおすすめだよ」とのことです。

写真④ Domba Campur Tegal 7万5000ルピア

 お肉は脂身(Lemak)と赤身(Daging)から選ぶことができます。お肉はミックス(Campur)も可能。最初は好みがわからないので「Campur」を頼み、さらに「Celup」か「Tegal」を選ぶと良いでしょう。オーダーが入ってから店員さんがお肉をカット=③。ジュージューと音を立てながら可愛らしい羊の形をした器と共にサテが運ばれてきます=④。

■色々な部位を食べよう

写真⑤ Sate Domba Ginjal Half 2万4000ルピア、Sate Domba Ati Half 3万2500ルピア

 羊専門で10年営業しているだけあり、当店ではさまざまな部位を楽しむことができます。例えばGingal(腎臓)やAti(肝臓)。こちらはハーフサイズで頼むこともできるので、アクセントとして少量オーダーしてみると食べ比べもできて面白いです=⑤。

写真⑥ Sate Domba Sineret 9万5000ルピア

 そして絶対に食べてほしい一品は「Sate Domba Sineret」です。         

 Sineretとは羊肉の中でも特に希少価値の高い部位のお肉のことです。もっとわかりやすく言うと「羊肉のシャトーブリアン」。羊一頭から数本の串分しか取ることのできない希少部位です。      

 通常の羊串ももちろん美味なのですが、そこをさらに超えてくる柔らかさとジューシーさです。そして羊肉の臭みがまったくありません。これほど上品な羊肉は北海道でも出会ったことがありません。インドネシア産羊の奥の深さを感じさせてくれる逸品です=⑥。

■串以外にも食べ方色々

 羊専門店ということで、串以外にも様々な食べ方で羊を楽しむことができます。おすすめのものをいくつかご紹介します。

写真⑦ Gulai Sumsum 6万7000ルピア

 まずは人気メニューの一つでもある「Gulai Sumsum」=⑦。スープでSumsumと呼ばれるものはいわゆる「骨髄スープ」です。もちろん使っているのは羊の骨。スープはサンタン(ココナッツミルク)かクニン(クリアスープ)から選べます。筆者おすすめは濃厚なサンタン。滋養味のあるココナッツミルクがたっぷり使われたスープに、巨大な羊の骨肉がどかっと沈められています。骨髄はストローで吸って楽しみます。

写真⑧ Nasi Goreng Domba 6万ルピア

 そして定番のNasi Goreng Domba。羊の脂が米によく染み込んでいます。いつも食べるようなパラパラのナシゴレンではありませんが、脂が染み込んだしっとり系ナシゴレンも美味しいのです=⑧。

写真⑨ Tongseng Goreng 5万ルピア

 変わりどころだと「Tongseng Goreng」。Tongsengは簡単に説明すると「ココナッツミルクを使った煮込みスープ」です。Kambing(山羊肉)を使うのが定番でスタミナ料理としてのイメージも強い料理です。 当店のTongsengはもちろん羊肉。そして面白いのは煮込み切って「Goreng(ここでは揚げ焼き)」として出てくるところです。これはなかなか珍しい。一口食べた感想は……「白米が欲しい」でした。これは食堂の定食としても人気が出そうな味です。少しジンギスカンのような雰囲気もありますね=⑨。

写真⑩ Toge Cah Garlic 3万ルピア

 そして、ジンギスカンにもやしが欠かせないように、当店にももやし炒めがあります。「Toge Cah Garlic」はもやしのガーリック炒め。歯ごたえがよく、口内の羊の油を落とすサイドディッシュとしてちょうど良いですね。羊肉にもやしが必要なのは日本もインドネシアも同じなのです=⑩。

■店舗情報&まとめ

 店内にアルコールメニューはありませんが、店員さんに一声かければ外部からの持ち込みもOKです。Melawaiの日系スーパーマーケットPAPAYAで冷えたビールを購入して持ち込むのが筆者の定番パターン。やはり美味しい羊肉には冷えたビールがよく合うのです。

 開放的なローカルレストランで、食べているとギター片手にパフォーマーが現れたりもします。ローカルな雰囲気も楽しめるので観光客や出張者にもおすすめできます。店内は分煙ですが、完全に仕切られてはいないので、お子様連れの方は座席を選ぶ際にご注意ください。平日でもにぎわう人気店ですので、来店時は予約を入れておいた方が安全でしょう。