インドネシアニュース 日本JC、バリで生ごみ資源化ー日本の技術投入、今年春に施設完成へ
深刻化するバリ島の生ごみ問題の解決に向け、公益社団法人日本青年会議所(日本JC)が生ごみを堆肥化して有機農業に活用する循環型モデルの構築に取り組んでいる。国際貢献事業「SMILE by ACTION」の一環で、日本の技術と地域連携を組み合わせ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指す。

■生ゴミは環境問題
インドネシアでは年間約6500万トン(推定)のごみが排出され、発生量は世界有数の水準となっている。観光地として知られるバリ島でも観光客の増加などで廃棄物量が急増し、問題は深刻だ。
排出されるごみのうち、生ごみは全体の6~7割を占めるとされる。しかし、分別や処理体制が不十分なため、悪臭や衛生問題、強力な温室効果ガスであるメタンガスの発生源にもなっている。
こうした状況を受け、日本JCは生ごみを資源として循環させる「クローズドループ型」のモデルづくりに取り組む。計画では、ホテルから排出される生ごみを分別して回収し、コンポスト施設で堆肥化。その堆肥を地元農家が有機農業に利用し、収穫された農産物をホテルが購入してレストランで提供する。
■堆肥化期間を短縮

このプロジェクトの鍵を握るのが、日本の環境技術だ。
産業廃棄物処理などを手がける株式会社石橋(富山市)が開発した天然由来の消臭・堆肥化促進剤「バイオファイター」を活用することで、生ごみの悪臭を抑えながら発酵を促進。これにより通常は約1カ月かかる堆肥化を2週間程度に短縮できるという。
コンポスト施設は、観光客に人気のあるチャングー地区ペレレナン村のごみ処理場内に建設される予定で、初期投資は日本JCの寄付金で賄う。生ごみを焼却に回さないことで燃料費や輸送コストの削減にもつながるため、現地の自治体からも強い期待が寄せられている。
建設される施設はコンクリートの壁で区画を作り、送風装置を設置する比較的シンプルな構造を採用。現地で調達可能な資材のみで建設できるため、他地域へ展開しやすいのも特徴だ。 施設の処理能力は1日当たり約100キログラムを想定。2026年春の完成を目指し、同年6月ごろには、この堆肥で育てた農産物を現地のホテルで提供する取り組みを開始する計画だ。
■運営は現地企業
事業の運営はバリ島を拠点とする環境シンクタンク「su―re.co」が中心となり、生ごみの回収、堆肥化、農産物の生産、ホテルへの供給までを一貫して行う予定だ。
また、ホテル従業員に対するゴミ分別やSDGs(持続可能な開発目標)教育も実施し、ハード・ソフトの両面から地域社会に継続的な利益をもたらす仕組みを整える。
協力するホテル側もこの取り組みに前向きだ。生ごみの再利用と有機野菜の提供を組み合わせることで「環境配慮型リゾート」を利用客に示せると期待している。また農家側も、有機野菜として付加価値をプラスして販売できる可能性があり、協力に意欲的だという。農家側も、有機野菜として付加価値を高めて販売できる可能性があるため、協力に意欲を示しているという。
日本JC国際ビジネス連携委員会の小俣峻平委員長(横浜青年会議所)は「このモデルが確立されれば、バリ島内の他の地域やホテル、さらにはインドネシア各地へと広がる可能性もある」と話している。