インドネシアニュース 石油備蓄、ASEANは1カ月ー日本、韓国は200日超

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 インドネシアに限らず、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国が定める義務的な石油備蓄量は、おおむね1カ月分程度にとどまる。

 日本の財団法人アジア太平洋エネルギー研究センター(APERC)の2023年報告(22年5月時点)などによると、制度的な石油備蓄は、インドネシアが原油14日分と石油製品23日分▽ブルネイ31日分▷マレーシア30日分▷フィリピンは原油30日分と石油製品15日分▷タイは原油22日分と石油製品3・5日分▷ベトナムは原油10日分と石油製品40日分▷シンガポールは90日分――となっている。 一方、日本は254日分、韓国は208日分、中国は200日分とされ、東アジア諸国はASEAN諸国の8倍以上の備蓄量を持つ。

 なぜこれほどの差が生じるのか。日本の場合、国家備蓄、民間義務備蓄、産油国との共同備蓄の三層構造があり、国際エネルギー機関(IEA)加盟国には最低90日分の備蓄が義務づけられている。1973年のオイルショック後に制度整備を積み上げてきた結果といえる。韓国もほぼ同様で、中国は正確な数字に関して議論の余地はあるものの、実態はおおむねこの規模とみられている。 

 これに対し、インドネシアを含むASEANの多くの国では、備蓄の中心は石油会社など事業者が保有する運転在庫にとどまる場合が多い。インドネシアは産油国でありながら04年に石油の純輸入国になり、石油精製所の建設も、東カリマンタン州のバリクバパン製油所が25年末に段階稼働を開始するまで、約30年間なかった。

 このため、DENが22年の報告で、エネルギー緩衝備蓄(CPE)が整備されていないとして苦言を呈し、24年9月、大統領令によってCPEを35年までに段階的に増やしていく方針が法制化された。

 ただし、CPEの整備は国家財政の状況に応じて進めることが条件となっている。今回の米国とイスラエルのイラン攻撃のような有事が発生すると、備蓄はしばらく難しくなるとみられる。