インタビュー 辛い時はファンが心の支えにー女子バドミントン奥原選手

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 ジャカルタで20〜25日に開催されたバドミントンの国際大会「ダイハツ・インドネシア・マスターズ2026」で準決勝に進出し、ベスト4入りを果たした奥原希望選手が23日、ジャカルタ日報の取材に応じ、試合の感想や今後への心構えなどを語った。

インタビューに応じた奥原選手(右)。インドネシア人の親友プトゥリさんが辛い時の支えになったという=池本まどかさん提供

 ——試合の感触や感想は。

 ◆結果として上位大会で準決勝まで来られたことはしばらくなかったので、うれしさを感じている。年明けのトップ選手との2試合で学んだことを、今回の大会で生かせている実感がある。

 ——インドネシアの大会には何度も来ているが、会場の雰囲気は他国と違うか。

 ◆全然違う。インドネシアでプレーする時の雰囲気は、会場の「イストラ・スナヤン」でしか感じられないものだ。シャトルの音が聞こえなくなるほどの盛り上がりは、ここでしか感じられない。

 インドネシアの観客は、選手の国に関係なく、良いプレーやフェアプレーを応援してくれる「プロのファン」だ。日本では基本的に日本の選手を応援することが多いが、ここでは国籍や文化に関係なく良いプレーをたたえる精神を感じる。

 ——試合後には、相手選手だけでなく審判にも礼をしている。そこにはどんな思いがあるのか。

 ◆けがをして思ったのは「私が礼をしている対象の誰一人が欠けても、試合は成立しない」ということだ。審判がいて、相手がいて、バドミントンは成り立つ。当たり前だが当たり前ではない、というありがたさと、1秒でも長くコートに立ちたい気持ち、そして日の丸を背負って日本の心意気を礼をするという形で表現したいと思っている。

 ——モチベーションの源泉は、ファンの存在が大きい。

 ◆一番は、しんどい時に応援してくれたファンの存在だ。数の多さではなく、少ない人数でも、どんな時でもそばにいてくれる存在が心強い。良いパフォーマンスを届けて、一緒に戦うというのが一番大きなモチベーションだ。

今回の大会には日本からもファンが応援に駆けつけた=同

 ——SNSだけでなく、ブログでも発信している。

 ◆2024年のパリ五輪の前で試合が続いた時など、競技を続けていくか本当に苦しく、落ち込んでいた時期があった。等身大の自分、きれいではない部分も含めて受け止めてもらい、応援してもらえたら心が軽くなると感じた。

 そこで、吐き出せる場所を求めてブログを始めた。22年に始めて、もう少しで4年になる。本当にしんどかったので、毎日投稿していた時期もある。
ブログはファンのためだけではなく、自分の振り返り、自分の心の整理の場でもある。夜に試合があると更新は難しいが、午前中や昼間に振り返りを書けると、自分の中で整理もできる。ブログは私を知ってもらえたり、バドミントンの見方が面白くなったりする。そんな場になれば嬉しいと思って続けている。

準決勝では世界ランク4位の中国人選手と戦ったが惜しくも敗れた=同

 ——これからの目標は。

 ◆これまでのキャリアを通して、「目標を持つことは必ずしも正解ではなかった」ということが教訓となっている。設定した目標が現実的ではなくなった時に、苦しむことになるからだ。日本では教育の中で「夢や目標は素晴らしい」と強く言われるが、私は必ずしもそうではないと思う。勝ちにはこだわるが、目の前の勝ち負けの結果で自分を左右されたくない。今を一生懸命生きることが、未来を切り開くことにつながると考えている。

■スポンサー募集

 奥原選手へのスポンサーなど、サポートに関心のある方は池本まどかさん(mandalika339@gmail.com)までお問い合わせください。