インドネシアニュース 中東在留のインドネシア人52万人足止め

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 外務省は2日、中東地域に滞在するインドネシア国民約52万人が米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃の影響で「事実上の足止め状態にある」と明らかにした。域内の民間航空便は運航停止となり、各国が自国民退避の検討を進める中、インドネシア政府は現地情勢の監視と慎重な対応に徹している。

政府はメッカへのウムラ(小巡礼)渡航延期も求めている=Shutterstock

 外務省によれば、同地域に居住するインドネシア人は51万9042人で、その多くが労働者として湾岸諸国に滞在している。

 各国政府は退避措置の検討を本格化させている。英国やタイ、ロシアは陸路や周辺国経由での撤収計画を検討している。一方、インドネシアは現時点で退避命令を出していない。同省報道官は「情勢を継続的に精査し、安全状況や受け入れ態勢、関係国の事情を踏まえて判断する」と述べるにとどめ、具体的な指示は状況次第との立場を示した。

編集部コメント

 中東地域の緊迫化は、インドネシアにとって自国民保護と外交姿勢の両面で試練となっている。50万人を超える在外国民の安全確保は急務だが、域内の空路の遮断が続く中での退避は難しく、政府の慎重な判断が問われる。

 非同盟・積極的中立を外交原則としてきたインドネシアは、停戦仲介に意欲を示している。一方で、米国やイスラエルを名指しで強く非難しない姿勢に対し、国内の一部からは批判する声も出ている。