インドネシアニュース 日尼の懸け橋に、高校生9人の日本留学支援ーファーストリテイリング財団
一般財団法人ファーストリテイリング財団は17日、インドネシア人高校生を対象とした「日本留学奨学金」の第1期奨学生壮行会を開いた。国内各地から600人を超える応募があり、最終的に9人が選ばれた。奨学生は今秋以降、日本国内の大学に進学する予定で、新生活への期待をのぞかせた。(ジャカルタ日報編集長 赤井俊文、写真も)

■挑戦望める給付型支援

この奨学金は、日本への留学を志すインドネシア人高校生が、家庭の経済状況に左右されることなく、日本の大学で学ぶ機会を得られるよう支援するもの。授業料や入学金などに加え、生活費や入学時の準備費用などを支給する返済不要の給付型奨学金で、年間450万円を上限に支援する。募集枠は最大10人で、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学などの国立8大学と、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学の私立4大学、計12大学の英語による学士過程に進学する。奨学金は大学出願前に受給の可否がわかる「予約型奨学金」として設計され、経済的な不安を抱える学生でも志望大学に挑戦できる仕組みだと財団側は説明した。
■さまざまな専攻過程に

壮行会の冒頭、同財団の石田吉生事務局長はあいさつで「インドネシアの優秀な若者が日本を深く知り、将来、両国の懸け橋として活躍してくれることを心から期待している」と述べた。また、今回選ばれた9人について「学業成績が優秀であるだけでなく、明確な志を持ち、日本の大学で学ぼうとする強い意欲を備えている」と評価した。
今回選ばれた9人はジャカルタ、西ジャワ州バンドン、東ジャワ州スラバヤなどの高校出身で、進学する日本の各大学で工学や農学、海洋生物学、法学、環境情報、経済学、コンピューターサイエンスなどを学ぶ予定だ。
奨学生らは席上、インドネシアの通信インフラ整備、持続可能な農業技術の開発、海洋資源保護、人工知能(AI)を活用した教育格差の解消など、社会課題の解決を意識した将来への展望を語った。
■学生「目標実現したい」

スラバヤ出身で、慶應義塾大学経済学部に留学するスカイラー・ニコール・テディさんは、ファーストリテイリングが運営する世界的アパレルブランド「ユニクロ」の製品について「デザインもいいし、何より着やすい」と愛用している。独学で日本語検定2級(N2)を取得しており、「将来はインドネシアの農業への日本からの投資を拡大させたい」と留学の意気込みを語った。
また、ジャカルタ出身で京都大学工学部電気電子工学科で学ぶキャンラ・アルタイラ・フビー・ハルタディさんは「インドネシアの技術的自立の一翼を担い、航空宇宙分野の発展に貢献したい」と話した。
西ジャワ州ブカシ出身のフェリシア・ナタリーさんは名古屋大学法学部に進学。「より多くの人々が平等にチャンスに出会えるような社会を実現できる資質を備えた法律家に成長したい」と目を輝かせた。
同財団の柳井正理事長は書面で「日本での学びは専門知識を身につけるだけでなく、異なる考え方や価値観に触れる機会でもある」と強調。そのうえで「学生生活を通じて多様な仲間と出会い、経験を重ね、将来は世界を舞台に活躍するリーダーになってほしい」と期待を示した。
同財団の日本留学奨学金事業は2022年にベトナムで始まり、25年からはインドネシアでも実施された。26年にはフィリピンでも募集を開始する予定だ。
今回の壮行会には財団のほか、在インドネシア日本大使館やインドネシア初等中等教育省の関係者らも出席した。