インドネシアニュース 中東緊迫、ルピア安・物価高に警戒ーJJC東部エリア部会が特別講演会

ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)東部エリア部会はこのほど、西ジャワ州ブカシ県チカランのEJIP工業団地で、中東情勢がインドネシア経済に及ぼす影響をテーマとした特別講演会を開いた。榎下健司・在インドネシア日本国大使館経済担当公使が登壇し、原油価格や物流費の上昇を通じて物価高やルピア安につながる波及構造を説明。参加した日系企業関係者ら約60人に対し、中長期的な事業継続計画(BCP)の強化を呼びかけた。
榎下氏は「中東での軍事衝突やホルムズ海峡の封鎖リスクが高まった場合、資源の供給不安や海上保険料の上昇を招き、原油やナフサ、樹脂などの価格を押し上げる可能性がある」と指摘。世界的な生産・輸送コストの上昇を経て、インドネシア国内の物価高や通貨ルピアの下落に影響する背景を解説した。
また、中東地域の歴史的背景や今後の情勢予測に加え、無料給食プログラム(MBG)や天然資源の一元管理、国産品重視といったプラボウォ政権の政策動向にも触れ、複数のリスクを想定した対応の必要性を強調した。
続いて矢田部充康JJC運営委員長が、中東情勢について会員企業318社から集めたアンケートと商品グループ別の意見交換会での結果を報告した。調査時点では製造業の約6割が原材料の調達コストや物流費の上昇といった影響を受けていると回答。矢田部氏は「企業の関心は原材料不足などの短期的な問題から、価格動向や需要見通し、投資環境といった中長期の経営課題に移りつつある」と分析した。
あいさつに立った佐藤健治JJC理事長は、今年度の活動スローガン「日尼の強い絆を、インドネシアの前進へ」を紹介。会員の課題解決や事業環境の改善に直結する組織づくりを目指す考えを示した。東部エリア部会の吉田健一郎部会長は、違法デモを巡る当局との対話や工業用ガス料金問題への改善要望などこれまでの活動を報告。今年度は工場見学会やビジネスマッチング、警察本部との意見交換などを計画し、工業団地を越えた連携で現場の課題解決を後押しする方針を示した。