インドネシアニュース STAがJAXA基金事業に採択ー衛星データでパーム油調達支援

宇宙技術を使った事業開発を手掛けるスペース・テック・アクセラレーター(STA、東京都千代田区)は7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業に、インドネシアを起点とする持続可能な農産物調達基盤の構築事業が採択されたと発表した。パーム油産業などを対象に、衛星データと人工知能(AI)、現地情報を組み合わせた農園管理・調達支援を進めている。
事業期間は最長5年。衛星による観測データに加え、農家や農協の取引記録、認証関連情報をクラウド上で統合する。農家は農地の状態を確認でき、調達企業は森林減少など供給網上のリスク把握、認証機関は審査の効率化に活用できる仕組みを目指す。パーム油で実用化した後、ココナツ、カカオ、コーヒー、天然ゴムなどへの展開を計画する。
インドネシアのパーム油産業では、小規模農家が広い農園を担う一方、認証取得の難しさや森林減少、泥炭地の劣化などが課題となっている。広大な産地を人手だけで継続的に確認するのは難しく、衛星による監視と現場情報の組み合わせで調達の透明性を高める狙いだ。
STAは第1期の基金事業でも、インドネシアの小規模パーム農家を支援するアプリ開発が2025年2月に採択された。紙帳票の電子化や自動計算などの機能を発展させ、今回の事業では衛星データとの連携による収量予測や施肥の最適化まで広げる。
衛星データは合成開口レーダー(SAR)、光学、超分光、熱赤外などを組み合わせ、作付面積や作物の健康状態、森林減少、泥炭地火災の兆候などを分析する。スカパーJSAT、セーレン、三菱電機が技術協力し、インドネシア側では国営検査会社スルベイヤー・インドネシア、ブラウィジャヤ大学などと連携する。