コミュニティー 無農薬米の良さを知ってほしいー早大・JICAプロジェクト バリ在留邦人に試食イベント

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試食会で紹介されたコメ=早大・JICAプロジェクト・オフィス提供

 早稲田大学と国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」バリ島プロジェクト事務所は9、11、15の3日間、バリ日本語補習授業校でコメの試食イベントを開催した。

 同プロジェクトは2024年11月から、バリ島の農家所得の向上と貧困削減を目指し、「参加型フードバリューチェーンの構築を通じた所得向上」に取り組んでいる。

 バリ州ギャニャール県テガラランのププアン村では、環境に配慮した無農薬栽培を実践してきた。しかし、現時点では収量が低迷している上、販売時には農薬を使用した通常米と同じ価格で買い叩かれる状況が続いている。さらに、農家は独自の販路を持たず、仲介業者の提示する価格に従わざるを得ない構造的な課題を抱えている。

 同プロジェクトではププアン村での精米や選別、パッケージから販促・販売活動までをサポート。農家を主体としたコメの高品質化や増収、地域農業の持続的発展を目指した。 

バリ日本語補修授業校で実施された試食会=同

 今回の試食会は「丹精込めて作ったコメの魅力を直接消費者に伝えたい」というプロジェクトチームの強い思いから実現。当日は、日本米に近い食感の「白米・白もち米」の配合米と、健康志向に配慮した「黒米・玄米・白米」の配合米の2種類を提供。参加した保護者や「バリ・ジャパンクラブ」の関係者らは、香りや食感の違いを熱心に確かめていた。

 来場した前田璃南さんは「生産から販売までのプロセスが目に見えることで、深い安心感がある」と評価。補習授業校を運営するバリ日本友好協会の万亀子イスカンダル理事長は「棚田の維持や持続的な農業の重要性を、当地に住む日本人にも広く理解してほしい」と語った。

 バリ島では観光開発の進展とともに水田の減少が加速しており、環境破壊や景観の損失、さらにコメ農家の困窮が深刻化している。同プロジェクト事務所は今後、村の農家が主体となって流通・販売を担えるよう、新たなブランド米としての確立を目指す。レストランや一般小売市場への本格的な展開にも注力する方針だ。