インドネシアニュース 日系中小のIT課題、常駐支援で解決ーAIネットワークソリューション

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 マイクロソフト製品に特化したIT支援を手掛けるAIネットワークソリューション(神奈川県横浜市)は、インドネシアに進出する日系中小企業向けに、ITの技術者常駐支援サービスの展開を本格的に開始している。社内に専任のIT担当者を置くことが難しい企業に対し、エンジニア人材を現地に提供する形で課題解決を支援する。

AIネットワークソリューションの荒井祥平共同代表=同社サイトより

■IT技術者を提供

 同社は2025年にインドネシアに進出し、ジャカルタと中部ジャワ州プルウォクルトに国内拠点を置く。現在の従業員は約15人で、年内をめどに40人規模へ拡大する計画だ。マイクロソフト365の問い合わせに24時間365日対応するヘルプデスクをはじめ、各国・拠点で個別に契約しているライセンス環境の統合、業務システム「ダイナミクス365ビジネスセントラル」の構築、「パワーオートメート」を使った経理・申請業務の自動化などを手掛ける。

 インドネシアの日系企業向けには、現地で育成したIT技術者を顧客企業に常駐させる支援サービスを展開。パソコンやネットワーク、マイクロソフト365の利用方法など、日常的な問い合わせは現場で対応し、障害の発生状況や改善課題を日本人スタッフが定期的に顧客に報告する。技術者を直接雇用した場合に生じる採用時の能力評価や、日本人駐在員による管理負担を軽減できる点が特徴だ。

 主なサービス対象は、従業員150~200人未満で、専任のIT担当者がいない日系企業だ。

 新規進出企業だけでなく、インドネシアで20~30年にわたり事業を続けてきた企業からの相談もある。日本の本社から情報管理やセキュリティーの強化を求められる一方、大手システム会社への委託は費用が高く、特定の事業者に依存する「ベンダーロックイン」を避けたいとの需要があるという。

■ITの健康診断を

 同社は支援の入り口として、ネットワークやパソコン、ソフトウエアの利用状況を調べる「IT健康診断」を提案。荒井氏は、「インドネシアの日系中小企業の6~7割が、IT環境の体系的な診断を受けていない印象だ。これは業務効率の低下に繋がると同時に、セキュリティー上の問題も多い」との見方を示す。診断を通じて利用中の機器やソフトウエアライセンス、サイバーセキュリティー上の弱点を可視化する。

 荒井氏によると、中堅規模の企業を対象にした詳細診断は2~3カ月で、費用は企業規模や調査範囲によって1億ルピア(約90万円)程度。日本国内ですでに実績のあるIT資産管理ツールを活用することで費用と期間を抑えられるという。

■1社侵入が蟻の一穴に

 同社の荒井祥平共同代表は、「インドネシアの日系企業の約8割がマイクロソフト製品を利用しているものの、日本の本社と比べて機能を十分に活用できていないケースが多い」と説明。「社内のIT担当者も、アプリケーション開発には詳しいが、サーバーやネットワーク、セキュリティーには対応できないなど知識が特定分野に偏る傾向がある」と指摘する。

 さらに、日系企業にとってのサイバーセキュリティー対策の重要性は増している。同社によると、業種別では製造業が最もサイバー攻撃の被害を受けているという。製造業は取引先や納品先とデータでつながっており、1社への侵入がサプライチェーン全体に波及する恐れがある。取引先情報や顧客データを暗号化し、復旧と引き換えに金銭を要求するランサムウエアによる被害も実際に日系企業で発生しているという。

 荒井氏は「まずはIT健康診断を行い、何が問題なのかを明確にすることが重要だ」と強調。「新しいシステムを買わなくても、今あるライセンスを使って業務を改善できる。現状を可視化することが、正しいIT投資の第一歩になる」と訴える。