インドネシアニュース アムネスティ、インドネシア「強権化」で警鐘
人権団体アムネスティ・インターナショナル・インドネシアは21日、2025~26年版の年次報告書を公表した。25年は世界及びインドネシアにおいて人権が「最も危険な状況にさらされた年」であったと指摘。国家や企業、反人権勢力による「捕食的攻撃」が世界144カ国で激化したと分析した。

報告書はインドネシア情勢について、表現や集会の自由に対する圧力が強まっていると説明。「電子情報取引(ITE)法」に関連して25年には少なくとも58人が摘発されたと言及した。人権擁護活動家らへの攻撃は、25年上半期の104件から年末には295件へと急増し、26年1〜3月期にも既に25件を記録したとしている。
また、25年8月下旬から9月初旬にかけて全国で起きた抗議デモでは4000人超が不当に拘束され、治安当局の過剰な実力行使により少なくとも10人が死亡したと報告した。
このほか、開発に伴う先住民の土地収奪や、宗教的少数派への保護不足も深刻化しているとして、国家による強権化が多角的に進んでいるとの強い懸念を示した。
編集部コメント
今回の報告書は、監視や刑事訴追、過剰警備、土地問題を一つの統治不全として束ねた点に重みを置いている。
ただ、今回の報告はアムネスティという民間人権団体の主張であり、政府の反論や公式調査とも照らし合わせて冷静に判断する必要がある。それでも、投資環境や国際評価を含めて考慮すれば、人権はもはや国家運営の信用そのものを問う中核的な評価軸となりつつある。