インドネシアニュース 注目の新規IPO銘柄①ーデジタル損保、小口で攻勢 / アスランシ・デジタル・ブルサマ

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 アスランシ・デジタル・ブルサマは、デジタル技術を中核に据えた損害保険企業だ。前身は1988年に中部ジャワ州スマランで創業した老舗損保だが、2022年には本社をジャカルタへ移転。23年に金融サービス庁(OJK)の認可を受けて現社名に改称した。25年1月にインドネシア証券取引所(IDX)への上場を果たした。

 同社の最大の特徴は、商品設計から販路までを「小口・簡易型」に特化させている点にある。自らを「デジタルライフスタイル保険」の担い手と位置づけ、旅行保険や航空券キャンセル保険、傷害保険といった、日常生活の細かなリスクをカバーする商品を主力に据える。 

 販路拡大には外部との連携を重視する。自社営業に加え、同国保険テック大手「クアラ(Qoala)」や地方銀行との提携を深め、営業拠点をスマラン、スラバヤなど主要都市のほか、西ジャワ州パンガンダランにも構える。

 25年12月期の通期決算は、保険サービス収益が7307億ルピア、税引き後利益が138億9000万ルピアとなった。増収を確保したものの、販促費や一般管理費といったコスト増が利益を圧迫し、前年比では減益を余儀なくされた。デジタルで小口契約を積み上げる成長モデルは明快だが、今後は拡大局面から一歩進み、いかに利益率を安定させ、持続可能な収益構造を築けるか、上場企業としての真価が問われる。 

 IPO(新規株式公開)では約4億1200万株を1株100ルピアで発行し、約412億ルピアを調達。上場後も創業家色が濃く、アディ・ウィボウォ・アディサプトロ氏が42・30%、ジャユス・アディサプトロ氏が27・28%を保有し、地域金融機関も資本に参加する。