文化・くらし・コミュニティー 独立の日に残留日本兵を慰霊ー植野新大使が初の公務
インドネシア独立81周年を迎えた17日、南ジャカルタのカリバタ英雄墓地で、太平洋戦争後もインドネシアに残り、オランダとの独立戦争に加わった残留日本兵の墓参が行われた。今月着任した植野篤志・駐インドネシア日本大使や、残留日本兵の子孫らでつくる「福祉友の会(YWP)」の関係者らが墓前に花を手向け、両国の歴史に足跡を残した先人をしのんだ。

■新大使、初の公務
植野大使は今回の訪問を「大使館の外で大使として活動するほぼ初めての機会」と説明。「独立戦争のために尊い命を捧げられた、あるいはその後もインドネシアに残って、日本とインドネシアのために尽くしてくださった日本人の方にお参りをしたいと思っていた」と語り、感謝と哀悼の意を示した。
植野大使はこの日、7月10日に急逝したインドネシア日本友好協会(PPIJ)会長のラフマット・ゴーベル氏の墓にも参った。ゴーベル氏の墓も同墓地内にある。植野大使は東京勤務時代にゴーベル氏と面会を重ねており、「急な訃報に大変ショックを受けた。赴任したらまずあいさつに訪れようと考えていた」と明かした。
■「存在と心」次世代へ

「福祉友の会」のヘル・サントソ・衛藤会長は、毎年恒例の慰霊に対し「天国の残留兵のみなさんは非常に喜んでいると思う」と述べ、残留日本兵の記憶を次世代につなぐことについて「次世代に残留兵の存在と心を継承することが私の務め」と強調した。
日本の敗戦後、帰国せずインドネシアにとどまった日本兵の一部は、1945~49年の独立戦争でインドネシア側に加わり戦った。「福祉友の会」は残留日本兵とその子孫らの交流や支援を続けるとともに、先人の歩みと両国交流の歴史を次世代に伝えている。