注目の新規IPO銘柄 注目の新規IPO銘柄⑤ーマドゥラ沖取得で第3の収益源育成へ / ラハルジャ・エネルギ・チェプ

石油・天然ガス上流権益投資会社、ラハルジャ・エネルギ・チェプ(RATU)が、新たな収益源の確保に向けた動きを強めている。同社は2006年設立の企業を前身とし、18年にエネルギー大手ルクン・ラハルジャ(RAJA)の傘下入りを経て、25年1月にインドネシア証券取引所(IDX)へ上場した。自ら油ガス田を操業するのではなく、既に生産段階にある鉱区に資本参加し、分配収益を取り込む独自の事業モデルが特徴だ。
主な投資先はジャワ島のチェプ鉱区とスマトラ島のジャブン鉱区の2カ所だ。チェプ鉱区では関連会社を通じて権益を保有し、米エクソンモービルが操業を担う。ジャブン鉱区では子会社を通じて8%の参加権益を持ち、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が操業に関わっている。安定した生産実績のある資産へ投資を絞ることで、開発リスクを抑えながら確実な収益を得る仕組みを構築してきた。
25年通期の連結決算は、売上高が前年比14・6%減の4931万ドルとなった一方、親会社株主に帰属する純利益は1526万ドルへと増加した。
売上高の柱はジャブン鉱区で、チェプ鉱区からの収益は主に関連会社利益として計上する構造となっている。資源価格の上昇や販売量の拡大よりも、徹底したコスト管理によって採算性を高め、減収の中で増益を確保した格好だ。
今後の持続的な成長に向けては、新たな石油・ガス権益の取得を急ぐ。新規株式公開(IPO)で調達した資金を子会社や関連会社の事業開発に振り向けているほか、今年は社債やイスラム債(スクーク)を相次いで発行し、機動的な投資余力を確保した。
新規案件では、子会社を通じてマドゥラ沖の油ガス事業への投資を進めており、既に買収手続きを完了した。チェプ、ジャブンに続く新たな収益源が加わったことになり、特定の少数鉱区に依存してきた構造を改め、収益基盤をいかに広げられるかが中期的な成長のカギを握る。
一方、自社で操業権を持たない投資持株会社であるため、原油・天然ガス価格の変動に加え、共同事業者の操業状況や生産動向によって業績が左右されやすいリスクは残る。新規権益の取得に向けて資金調達を膨らませているだけに、投資に見合う生産量と利益を早期に確保できなければ、財務負担が先行する懸念もある。
今後はマドゥラ沖を含む新規案件を着実に収益化し、安定的な供給基盤と利益拡大へとつなげられるかが、市場の評価を左右しそうだ。