インドネシアニュース 問い直されるJJMの意義―市民交流と持続可能な運営

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JJM1日目にあいさつした、植野篤志・駐インドネシア日本大使(右から2人目)、JJM実行委員長の小林一則氏(右端)、ジャカルタ・ジャパン・クラブの佐藤健治理事長(同5人目)=ジャカルタ日報撮影

 ジャカルタ日本祭り(JJM)は今回、有名アーティストによる夜の公演を集客の柱とする従来の構成を見直し、盆踊りやみこし、市民同士の交流を重視した。インドネシアでかつてより日本文化が身近になった現在、祭りにはどのような役割が求められ、それをどう支えていくべきなのか。2009年から長い歴史を重ねたJJMは岐路に立たされている。

■日本文化の紹介から交流へ

 JJMの原点は、08年の日本・インドネシア国交樹立50周年にさかのぼる。翌09年、当時の塩尻孝二郎・駐インドネシア日本大使らの働きかけで、市民レベルの友好交流を育む催しとして始まった。当時、日本文化を直接体験する機会は限られており、日本の食や音楽、伝統芸能を紹介すること自体に大きな意義があった。

 その後、インドネシアの経済発展にともなって訪日旅行が広がり、ジャカルタでは日本食や日本製品が身近になった。こうした変化の中で、JJMも日本の商品・文化を紹介するというだけでは独自性をアピールしにくくなっている。

■来場者数では測れない価値

 今年のJJMには2万5000人以上が来場した。多くの人を集める催しとして定着したことは、長年の活動の成果だ。来場者が増えれば、交流の機会も広がる。

 一方で、来場者の数がそのまま相互理解の深さに繋がるわけではない。肝心の日イ両国の市民交流が不十分では、すでにインドネシアで日常となった日本関連の商業イベントの一つに埋没してしまう懸念がある。
 今回、JJMが市民参加型の催しに重点をおいたことは、原点に立ち返ろうという意志の表れだ。協賛企業にとっての重要指標の来場者数を一定以上は保ちながらも、有名アーティストなどに頼りすぎない集客戦略を追求することが期待される。

■持続可能な運営体制を

 持続可能な運営体制を作ることも課題となっている。
 JJMの実際の企画や現場運営では、本業を持ちながら参加するボランティアが重要な役割を果たしている。その熱意と経験は大きな財産ではあるが、やる気のある特定個人への業務集中や、担当者交代に伴うノウハウの断絶が安定した運営の障害となる懸念もある。

 JJM関係者の中で「イベント運営会社への委託も選択肢」とする声も上がる一方で、「市民交流イベントとして丸投げはおかしい」との反論も出るなど議論が続いている。いずれにせよ、JJMの方向性に見合った体制を整え、関係者が無理なく参加できる仕組みを追求することが長期的な運営の要であることは言うまでもない。

■国交70周年を前に

 日本とインドネシアは28年に国交樹立70周年を迎える。JJMにとっても、今後の役割を考える一つの節目となる。
 長年続いてきた祭りには、簡単には代えられない実績と信頼がある。しかし、過去の成功がそのまま将来の最適な形を示すとは限らない。大規模な文化イベントとしての魅力を維持することも、市民交流に一層重点を置くことも、それぞれに意義がある。

 大切なのは、開催を続けること自体を目的とせず、何のために開催し、その負担と責任をどう分かち合うかを考えることだ。 今回のJJMを契機に、その存在意義と持続可能な運営について、幅広い議論が深まることを期待したい。