インドネシアニュース 貧困削減へ中国モデル導入ー移住省、専門家ら36人を中国に派遣

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移住省はコメの栽培指導など、地方での食糧人材育成も進めている=同省サイトより

 ムハンマド・イフティタ・スルヤナガラ移住相は7日、貧困削減と農村開発の実践を学ぶため、研修参加者36人を中国に派遣したと発表した。参加者は中国で得た知見を、インドネシア各地の「移住地域(カワサン・トランスミグラシ)」の開発に生かす方針だ。移住地域は、政府が国内移住者の定住先として整備する開発区域。住宅や農地だけでなく、道路、教育、医療、地域産業の育成まで包括する。かつてはジャワ島など人口過密地域から外島への移住が中心だったが、現在は貧困削減や地方の成長拠点づくりを目指す地域開発政策として位置づけられている。 

 イフティタ大臣は移住地域を通じた貧困削減の加速を強調。中国が長期にわたり段階的な貧困対策に成功してきた実績を評価し、派遣先に選んだ。一行は9日から22日まで、北京や雲南省などを訪問。講義や現地関係者らとの議論、現地視察を通じて、中国の専門拠点から農村開発の具体策を吸収する。

 一行は同省関係者や移住研修施設の指導者のほか、インドネシア大学やバンドン工科大学などの研究者らで構成。帰国後は53の移住地域で活動を展開する予定だ。特にパプア地域にある10の移住地区が重点対象となる。

 今回の研修成果は政策文書や実施時の手引きとして活用される予定で、イフティタ大臣は現地の手法をインドネシアでの政策に生かしたいとする考えを示した。

 また、中国モデルを「国内の県、村、家庭の各段階で実行できる形に落とし込みたい」と述べ、隊員1人が極度の貧困状態にある約10世帯を支援すれば、1000人で1万世帯を救えるとの試算を示した。 

 移住地域の開発は国内の地域格差や貧困対策と密接に関わる政策分野で、今回の派遣は中国の事例を参考にしながら、移住地域での実行可能な政策手法につなげる試みとなる。