インドネシアニュース AIの力で外国人材を支援ーアクチュアル、実証実験を開始
人工知能(AI)開発のアクチュアル(京都市)は、インドネシアの送出機関と連携し、外国人労働者の生活・就労支援を行うAI「kitakita.ai」の開発を開始した。人手不足が深刻化する日本で、外国人材の定着率向上と支援機関の負担軽減を目指し、実証実験(PoC)を進める。

日本では外国人労働者の受け入れが拡大する一方、離職率の高さが課題となっている。送り出し機関や企業にとっては採用や教育にかかったコストが無駄になるケースも少なくない。支援機関では担当者1人が数十人から100人以上の外国人労働者を受け持つケースもあり、生活相談やトラブル対応などに十分な時間を割けない実態がある。
こうした課題に対し、「kitakita.ai」はAIエージェントとして外国人労働者からの相談や問い合わせに24時間対応する。生活ルールや勤務上の疑問など定型的な質問にはAIが自動で回答し、緊急度の高い問題については実際の担当者に引き継ぐことで、支援体制の効率化を図る。
同社は現在、実用化に向けた実証実験に参加するパートナーを募集しており、外国人労働者を雇用する企業や登録支援機関、監理団体などと連携し、現場の課題を反映しながら機能開発を進める考えだ。
実証実験では第一弾としてインドネシアの人材を設定。将来的にはベトナムやネパールなど他の送り出し国への展開も視野に入れる。
同社の辻勇樹代表は「人口減少が進む日本にとって、海外人材との協働は不可欠。外国人材が安心して長く働ける環境を整えることが重要だ」と指摘。そのうえで「AIと人による支援を組み合わせることで、企業と働き手の双方にとって持続可能な仕組みを構築したい」と話す。
「kitakita.ai」は、日本で働く外国人労働者を対象として開発が進められているが、インドネシア国内企業の従業員管理ツールとしても応用できる可能性がある。同システムはメッセージアプリ上で動作する「ミニアプリ」形式で構築される予定で、多言語でのコミュニケーションや自動翻訳機能なども備える予定。アプリを使えばインドネシア人従業員と外国人管理職との情報共有を円滑にすることが可能だ。
具体的には、勤務ルールの周知や従業員からの相談をAIが一次対応することで、管理者の負担軽減につながる。また、相談内容などをデータとして蓄積することで、従業員の状況を把握できるマネジメントツールとしての活用も見込まれる。
今後の展開について辻代表は「最終的には日本とインドネシアの間のコミュニケーションを円滑にすることが目標。送り出しや受け入れだけでなく、企業の現場でも活用できる可能性がある」とし、将来的にはインドネシアに進出する外資系企業向けソリューションとしての展開も視野に入れている。