インタビュー SMBC「ジーニアス」でブランド浸透へー「優れた利便性で差別化」齋藤副社長に聞く
三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBCインドネシアが、7月1、2日に開催されるB2BソフトウエアやSaaS(サービスとしてのソフトウエア)に特化したイベント「B2Bテックアジア・インドネシア2026」にスポンサーとして参加する。同社は総合デジタルバンキングサービス「Jenius(ジーニアス)」でブランドの現地浸透を図るとともに、個人向けデジタル金融と法人取引の双方を広げたい考えだ。同行の齋藤順副社長に狙いを聞いた。(ジャカルタ日報編集長 赤井俊文)

——スポンサー参加の狙いは。
インドネシアでは近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)への関心が急速に高まっている。企業の競争力向上や新たなビジネス創出において、デジタル技術の活用は不可欠だ。今回のイベントは、日本とインドネシア双方の企業が最新技術やビジネスモデルについて交流できる非常に有意義な機会だ。
当行としても、単なる金融サービスの提供にとどまらず、顧客のDX推進や事業成長を支援するパートナーとして貢献したい。そうした思いから、イベントへのスポンサー参加を決めた。日本とインドネシア企業の連携促進や、新たなビジネスマッチングの創出にも期待している。
——インドネシア市場はどのような位置付けか。
SMBCは各国に拠点を持つが、多くは法人取引が中心だ。日本国外で、個人向け(リテール)まで含めて幅広い銀行サービスを展開している市場として、インドネシアは非常に重要な位置付けにある。日本国内と同様のフルバンキング(総合的な銀行サービス)を提供している国は、世界でもインドネシアだけだ。
今回のイベントを通して法人、個人を問わず、SMBCがグループとしてインドネシアで本格的に銀行サービスを展開していることを、より多くの人に知ってもらいたい。

——日系企業向けの法人取引について。
もちろん重要だ。元々、日系企業との取引基盤はあるが、さらに広げていきたい。一方で、当行は日本企業以外にも多国籍企業、そしてさまざまな規模の地場企業も対象にしている。今回のイベントにはインドネシアの地場企業も多く参加するとみられ、そうした企業との接点づくりにも期待している。
——インドネシアのDXや金融デジタル化をどう見ているか。
システム面では日本より進んでいる部分もある。スマートフォン決済やデジタルサービスの普及は非常に速い。一方で金融サービスには規制上の制約もある。例えば、ポイントや決済、融資などの分野では、認可や制度上の制限が関係することがある。より幅広いサービスを展開するには規制面の整備や運用の柔軟化も重要になる。
——今回「ジーニアス」をアピールする。
「ジーニアス」は2016年にサービスを開始したインドネシア初のデジタルバンクだ。最大の特徴は、銀行サービスの枠を超え、ユーザー目線で利便性と使いやすさを追求した点にある。従来の発想にとらわれず、デジタル世代の利便性を支えるさまざまな金融イノベーションを生み出すように設定した。
預金や国内送金、日本向けを含む海外送金、投資機能による資産運用などがスマートフォン上で利用できる。Jeniusクレジットカード(VISA)のほか、VISAデビットカードや、インドネシアのQRコード決済「QRIS」にも対応している。外貨両替も便利な機能の一つだ。

——来場者に向けたメッセージを。
当行はインドネシアで個人・法人向けの両方に本格的な金融サービスを展開している。個人としては「ジーニアス」を通じて、便利で使いやすいデジタルバンキングを体験してもらいたい。出展するIT企業やテック企業に対しても、事業成長やDX推進を支える金融パートナーとして当行を知ってもらい、法人取引につなげたい。
これまで、キャンペーンなどを通じて口座数を増やす取り組みを進めてきた。24年に社名をSMBCインドネシアに変更したが、前身のバンクBTPNを知っていても、新しい社名や「ジーニアス」の存在はまだ浸透していないと感じる。今回のイベントでSMBCインドネシアというブランドをインドネシアでさらに拡大したい。