インタビュー 「SNS時代だからこそリアルなつながりを」ーJJC個人部会・村上新部会長が抱負

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 ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)の個人部会長に新たに就任した村上統氏(豊田通商インドネシア社長)が23日、ジャカルタ日報のインタビューに応じた。JJC個人部会は今期、家族単位だった会員制度を個人単位に変更し、会費を引き下げた。村上氏は、単身赴任者や若者世代、現地採用者らが参加しやすい環境を整えたとした上で「インターネットや交流サイト(SNS)で情報が得られる時代だからこそ、実際に人と人が出会い、安心してつながれるコミュニティーとしての価値を高めたい」と抱負を語った。(ジャカルタ日報編集長 赤井俊文)

スナヤンセンターは図書館などを備え、親子連れでも楽しめる=ジャカルタ日報撮影

 ——就任の抱負を。

 ◆JJC個人部会を通じ、日本とインドネシアの懸け橋として在留邦人に安心と人とのつながりを提供できる活動を進めていきたい。個人部会にはさまざまなクラブ活動がある。それらの活動を通じて、会員の皆さんに海外での生活をより充実したものにしてもらいたい。

 インドネシアで生活する中では仕事や日常生活で困ることもある。日本人同士が安心してつながり、相談や交流ができるコミュニティーを事務局や会員の皆さんと一緒につくっていきたい。

 ——任期中に最も取り組みたいことは。

 ◆会員の裾野を広げることだ。今期は会員制度と会費を見直し、これまでJJCとの接点が少なかった若い世代や単身赴任者、現地採用者などにも参加してもらいやすい環境を整えた。

 JJCの活動や利点についてはまだ十分に知られていない面もある。認知度を高め、より多くの人に個人部会の活動を知ってもらうことに注力したい。

 ——現在のジャカルタの日本人社会をどのように見ているか。

 ◆私は今回が初めてのインドネシア駐在なので、以前との直接的な比較は難しい。ただ、インドネシアに限らず、海外で働く日本人の背景は多様化していると感じる。従来は大企業から派遣された駐在員とその家族が中心だったが、現在は現地採用者や専門職、起業家、長期間インドネシアに定住する人も増えている。

 一方で、日本人社会の全体的な規模が拡大しているわけではない。多様な立場の人が限られた人数の中で生活するからこそ、誰でも参加しやすいコミュニティーをつくることが重要だ。

 ——インターネットやSNSの普及で、JJCの役割にも変化が生じたのか。

 ◆これまでJJCは安全情報や生活情報をはじめとする情報源として大きな役割を果たしてきた。現在はインターネットやSNSを通じて、必要な情報を個人で得られるようになっている。これは大きな変化だ。

 その中で、JJCに求められる役割の一つが「人と人とが実際に会ってつながりを持てる場」を提供することだと思う。オンラインで情報を得ることはできても、信頼関係や安心感は実際の交流から生まれる部分が大きい。さまざまな立場の日本人が交流できるコミュニティーとして、JJCの価値はむしろ高まっている。

 ——会員制度を家族単位から個人単位へ変更した最大の狙いは。

 ◆入会のハードルを下げ、より多くの人に開かれた組織にすることだ。従来の制度では単身赴任者や一人で暮らす人にとって、加入しにくい面があった。個人単位にすることで大人一人から参加できるようになった。

 単身赴任や現地採用、若者世代など、これまでJJCに関心があっても加入に至らなかった人にもぜひ加入してもらいたい。家族構成や雇用形態にかかわらず、多くの人に開かれたコミュニティーを目指している。

 ——制度変更や会費引き下げに対する反応は。

 ◆「会費が下がって参加しやすくなった」との声を多くいただいている。特に単身赴任者や若い世代を中心に好意的な反応が多く、制度変更は一定の評価を得たと感じている。

 今後は加入者を増やす以外にも、実際に活動へ参加してもらうことが重要になる。入会した人にJJCの利点を実感してもらえるよう、活動内容や情報発信をさらに充実させたい。

個人会員数はコロナ禍後回復し、現在は2901人だ=JJCデータを基にジャカルタ日報作成

 ——若者や現地採用者、起業家などには今後どのように参加を促すのか。

 ◆現在の時代にマッチしたSNSの活用について事務局と協議を進めている。若い世代をはじめ、これまでJJCの情報が届きにくかった層にも活動内容や入会の利点をわかりやすく発信していきたい。

 宣伝だけで会員が増えるとは考えていない。クラブ活動や会員向けサービスを充実させ、JJCそのものの魅力を高めることが前提だ。情報発信と活動内容の両面を強化し、幅広い層に働きかけたい。

 ——個人部会では、どのような活動に力を入れているか。

 ◆個人部会には20近いクラブがあり、スポーツから文化活動までさまざまな活動を行っている。共通の趣味や関心を通じて知り合えるため、日本人同士のつながりをつくる大切な場になっている。

 会員から会費をいただいている以上、加入するメリットを感じてもらう必要がある。クラブ活動だけでなく、生活上の困り事に対応できる仕組みや、会員向けのサービスも充実させたい。事務局と連携しながら、会員の声を活動に反映させたい。

 ——会員向けの「特典パートナー」について説明を。

 ◆ホテルや語学学校、レストランなどの事業者に協力してもらい、会員向けに割引や特典を提供する制度だ。会員本人だけでなく、家族にも日常生活の中でJJCのメリットを感じてもらえるようにしたい。

 今後は協力いただけるパートナーをさらに増やし、サービスの幅を広げたい。会員にとって利用価値の高い制度にするとともに、パートナー側にとっても会員との接点を持つメリットを感じてもらえる形にしたい。

 ——スナヤンセンターは会員に人気だ。

 ◆スナヤンセンターは個人部会の大きな魅力の一つだ。特に図書館は、日本の書籍を利用できる施設として好評を得ている。夏休みなどには家族で利用する人も多く、また周辺にはショッピングできる場所も多いため、使い勝手が良い環境だと思う。

 一方で、ジャカルタ東部などからは距離があり、利用しにくいという声もある。そのためJJC東部エリア会と連携して地域の意見を吸い上げ、今年度は東部地域でもインドネシア語講座を始める。東部に住む会員にも中心部と同様のメリットを感じてもらえる活動を考えていきたい。地域ごとの事情を踏まえながら、サービスを充実させる方法を探っていく。