インドネシアニュース 日イ防衛協力取り決めに署名ー海洋安保などで連携強化

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 小泉進次郎防衛相は4日、ジャカルタの国防省でシャフリ・シャムスディン国防相と会談し、両国の防衛協力を拡大する「防衛協力取り決め(DCA)」に署名した。人的交流や教育・研究、共同訓練に加え、海洋安全保障、人道支援・災害救援、防衛装備・技術協力を包括する新たな枠組みで、防衛分野の連携を一段と強化し、地域の平和と安定に寄与する方針を確認した。
(ジャカルタ日報編集長 赤井俊文)

小泉進次郎防衛相は4日、シャフリ国防相と会談し、新たな防衛協力となるDCAに署名した=インドネシア国防省のXより

■統幕長級の対話新設

 今回のDCAは、2015年に署名した防衛協力・交流に関する覚書を拡充するもの。両国は「包括的・戦略的パートナーシップ」の下で防衛協力が着実に進展してきたことを確認し、新たな取り決めを今後の協力拡大の土台と位置づけた。

 DCAの柱の一つが新たな「統合防衛対話メカニズム」の創設だ。閣僚級の対話に加え、政策面では次官級の「防衛戦略対話」を推進、防衛装備・技術協力を含む案件を扱う。運用面では、日本の統合幕僚長とインドネシア国軍司令官によるハイレベル対話を実施する方向で一致した。

 また、軍事情報の保護に関する議論を前進させることでも認識を共有し、安全保障上の必要が生じた際の相互協議についても確認した。

■防衛装備協力を深化

 会談の焦点となった防衛装備・技術協力について小泉氏は、日本政府が4月に「防衛装備移転三原則」と運用指針を改正したことを説明。新制度の下でインドネシアとの具体的な協力を拡大・深化させる意向を伝えた。これに対し、シャフリ氏は、自国の国益や国内法令、「自由かつ積極的」な外交方針、紛争の平和的解決、国際法の尊重と整合する範囲で、実践的な協力分野を検討する用意があると応じた。

 海洋安全保障分野では、防衛面での協議進展を踏まえ、両国の「海洋抑止力」向上に資する防衛装備・技術協力の方向性で一致し、事務レベルでの検討加速を指示した。ただ、具体的な装備品名や契約額、移転時期は公表されなかった。

 また、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国や日米中などが参加する多国間枠組み「ASEAN拡大国防相会議(ADMMプラス)」に加え、日本、インドネシア、オーストラリアによる三国間協力についても検討を進めることで一致した。会談後に出された共同声明で両氏は、いかなる協力も地域の安定、包摂的な多国間関与、ASEANの中心性に建設的に資する必要があると強調した。

 小泉氏は3日に羽田を出発してジャカルタ入りし、4日の会談に臨んだ。5日にはフィリピンへ移動し、同国との防衛相会談や演習を視察した。