インドネシアニュース 大林組、低炭素コンクリートを試験施工ー海外で初、27年本格適用へ

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 大林組(東京都港区)は、二酸化炭素(CO2)排出量を従来のコンクリートより60%以上削減できる低炭素型コンクリート「クリーンクリート」の供給体制をインドネシアで構築し、建設中のデータセンターで試験施工を実施した。同技術の海外展開は初めて。現地で調達した高炉スラグを活用し、通常のコンクリートと同等の強度や施工性を確認した。2027年の本格適用を予定し、将来はアジア各国への展開も検討する。

クリーンクリートの打設作業=大林組提供

■環境需要を捕捉

 試験施工では、建設中のデータセンターに設置する仮設建物の基礎部分にクリーンクリートを使用した。PBIの工場で製造したコンクリートを現場へ運び、ポンプ車で打設した結果、通常のコンクリートと同等の施工性を確認した。施工後の表面にもひび割れなどの不具合は確認されなかったという。

 インドネシアを最初の海外展開先としたのは、同国で大林組が手掛ける建設案件の発注者がCO2削減技術に関心を示していたことに加え、クリーンクリートの主要原料となる高炉スラグを国内で調達できるためだ。同社は、グローバル企業の環境目標に沿った設備投資が今後増えるとみており、特にデータセンターなど大規模施設で低炭素コンクリートの需要拡大を期待している。

 クリーンクリートは、製造段階で多くのCO2を排出するセメントの大部分を、高炉スラグ微粉末などの産業副産物に置き換える。高炉スラグは鉄鉱石から鉄を製造する際に発生する副産物で、急冷して細かく粉砕することでセメントの代替材料として利用できる。大林組によると、日本国内でのクリーンクリートの適用実績は2025年度までに47・9万立方メートルに達している。

■品質管理基準に対応

 インドネシアでは、生コンクリート製造大手ピオニルブトン・インドゥストリ(PBI)と連携した。国内で調達した高炉スラグを使用し、セメントの混合割合を30%未満に抑えながら、必要な強度を確保する配合を確立した。

 海外での製造に当たって課題となったのが、日本とインドネシアで異なる品質管理基準への対応だ。両国の基準を踏まえて検査項目を整理するとともに、現地の気候や製造・施工条件に合わせて材料の配合を調整。品質管理では大林組の技術担当者が指導し、PBIと検査項目を設定。原材料の調達から製造、現場への運搬、受け入れ検査、施工までを含む一連の供給体制を整えた。

■課題はコスト

 一方、製造コストは現時点で従来のコンクリートより3~5%程度割高となる。大林組は、高炉スラグなどの原材料調達から製造、運搬までのサプライチェーン(供給網)を整備し、取扱量を増やすことで、将来的には普通コンクリートと同程度の価格水準を目指す。

 今後は今回の試験施工で得たデータを基に、現地の材料や気候条件に適した配合や施工方法をさらに調整する。同じデータセンター建設工事で27年に本格適用し、その後は国内のほかの建設案件への採用拡大を図る。

 大林組はさらに、インドネシアでの実績を足がかりに、グループが事業を展開するアジア各国への導入も検討する。各国で原材料を調達し、現地企業と連携して生産する供給網を構築することで、建設分野で高まる脱炭素需要の取り込みを目指す。