インドネシアニュース ピカチュウ、今度はダンドゥットに挑戦ーポケモン「現地文化」取り込み認知度向上へ

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 株式会社ポケモン(東京)は19日、インドネシアの大衆音楽「ダンドゥット」を取り入れた新たなキャンペーン「Kopi Dangdut~ver.Goyang HEPIKA~」を発表した。人気歌手ハッピー・アスマラさんと、看板キャラクター「ピカチュウ」が共演するミュージックビデオを公開し、世界へ向けた楽曲配信も開始した。

(左から)ハッピー・アスマラさん、クリエイティブ経済省のアイリーン・ウマール副大臣、ピカチュウ、株式会社ポケモンの福永晋執行役員。ハッピーさんと福永氏はピカチュウとおそろいの衣装で記者会見に登場した=ジャカルタ日報撮影

 採用された楽曲はインドネシアで広く親しまれ、日本でも知られる「コーヒー・ルンバ」をベースにした名曲「Kopi Dangdut」をアレンジしたもの。ダンドゥットは独特のリズムと踊りが特徴の庶民的音楽で、今回の企画では、ハッピーさんの名前とピカチュウの鳴き声を掛け合わせた「HEPIKA(ヘピカ)」をキーワードに、家族や友人と一緒に踊れる振り付け「Goyang HEPIKA(ヘピカ・ダンス)」を打ち出した。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などでハッシュタグ「#HEPIKA」を使った拡散を狙う。

 同日ジャカルタ市内で開かれた記者発表会に出席したポケモンの福永晋執行役員は、ダンドゥットに着目した背景について「ポケモンをインドネシアの人々により身近に感じてもらいたい」と説明。まず現地の人に親しんでもらったうえで、ポケモンを楽しんでほしいとする理由を語った。

舞台ではミュージックビデオが初公開され、ハッピーさんとピカチュウが楽しく踊った=同

 今回の企画は社内の議論や調査を経てポケモン側から発案された。世界のさまざまな地域で、現地の人が普段から親しむ文化と連携することでより楽しく、自然にポケモンを受け入れてもらいたいという理由を福永氏は紹介。「インドネシアでピカチュウやポケモンの名前を知らない人は少ないが、日米のように十分に楽しんでもらう段階にはまだ達していない」と述べ、今回のコラボレーションを通じて「ハッピーさんのファンやダンドゥットを愛する人たちが、ポケモンの世界観に触れるきっかけになってほしい」と期待を寄せた。

 同社は近年、インドネシアで現地文化を積極的に取り込む「ローカライズ(現地化)」戦略を継続している。2024年にはガルーダ・インドネシア航空と組み特別塗装機「ピカチュウジェットGA1」を就航。25年には伝統衣装バティックの柄をあしらった「GA2」を登場させたほか、位置情報ゲーム「ポケモンGO」内でもバティックシャツ姿のピカチュウを登場させてきた。

音楽が流れると踊り出す報道関係者も。会場はダンスフロアのような熱狂に包まれた=同

 今回の企画はこうした流れの延長線上にあり、航空機で観光・移動、バティックで民族衣装・工芸、そして今回は音楽と踊りで市場の取り込みを図る。

 日本初の知的財産(IP)が海外市場で存在感を高めるには、キャラクター販売という枠を超えて現地の生活文化や娯楽との接点をより緊密に作ることが重要になる。ポケモンのこうした展開は、日本のコンテンツ企業がローカライズ戦略を進める上での有益なケーススタディーになりそうだ。